モロ屋

酒とケモ耳の力を借りて乱世を生き抜くWeb屋の雑記

モノの名前を知るのって楽しい

何ヶ月か前、デイリーポータルZで面白い記事が更新されていた。 dailyportalz.jp

なるほど確かに名前が分かるだけで面白いと感心。それからはたまに、ぼんやり目の前を眺めながらモノの名前を頭の中で読み上げたり、スマホで調べてみたりしている。

この文章は待ち合わせまでの空き時間に喫茶店で書いているが、他にもパソコンを広げている人がいる。自分はあの人が使っているパソコンがSurface Proであることや、あっちの人はMacbookで、目の前の人はLet’s Noteであることも分かる。でも多くの人は一つのノートパソコンとして認識しているんだろうなと思うと、なんだか面白い。
でもファッションが好きな人は、おれにはTシャツ・ズボン・スカートくらいしか言えない服の種類を、もっとたくさんの名前で認識しているんだろう。机も椅子も、紙コップひとつにすらも、もっと細かく名前がついていて、分かる人には分かるんだろう。

そういえば昔から「アスクル」のカタログを読むのが好きだった。オフィス用品の販売カタログなのだが、品数が豊富でジャンル別の分類もされていて、それぞれの商品の特徴も書いてある。タキイの「花と野菜カタログ」もよく読んでいた。大根1つでこんなに種類があって、植える季節や土壌の違い、寒さに強いとか特徴がずらずら書かれていて、味だけじゃないんだなー と当たり前ながら感心した覚えがある。
そう思うと法人向けの商品カタログはなんだか大人の学研図鑑みたいだ。

こうしてモノの名前を知るのってなんだか面白いと思っていたのだが、一番感心したのは音楽の勉強をはじめたときだ。
それまでは音楽の分類なんてピアノとかギターの音だったり、曲名でしか名前で呼ぶことが出来なかった。でも音楽を学び始めてみると、これがGコードの音で、これがFM7コードの音です。と音の組み合わせレベルで分解されていき、そんな単位で名前ついてるんですか? と驚いた。しかも一度覚えると、その辺で鳴ってる音楽も「おっ、セブンスの音がいいな」となんとなく分かるようになったのだ。
なんだか突然なにもわからなかった英語が読めるようになって、街なかにまぎれているアルファベットの意味を知って驚くような、新鮮な気持ちになる。モノの名前は目に見えるものだけについているとは限らないことを改めて理解できた気分だ。

大人になってから誰かと意思疎通をとるのに日本語で困ることはまずない。だからいまさら言葉を学んでみようなんて考えたこともなかったが、改めて気づいてみると名前を知ることは新たな世界への入り口であって、そういう世界はまだまだ溢れているんだと思う。

散歩しながら名前を知らないものを探したり、よく知らないジャンルの専門店に入って商品を眺めてみたり。特に何かの役に立つわけじゃないけど、そういう遊びはなかなか楽しい。お金も使わないし、たまにそんな休日を過ごしている。