gdgd妖精sが色々な意味で挑戦状に見える
gdgd妖精s、名前だけはTwitterでチラチラ見えてて、ニコニコアニメチャンネルでもサムネだけチラチラ見えてたんですが、ただのローポリのショートアニメだと思ってました。
完全に今期のダークホースでしたね。さすが自称"大穴"。
回を増すごとに面白くなっているので、まずは1話より最新話を見てみたほうがいいと思います。
多分意味が分からないと思いますが、1話から見ても意味が分からないので問題ないです。
gdgd妖精sの巧妙なところについては、たまごまごさんの記事が分かりやすい。
当然ですが「絶対見たほうがいい」とかそういう類のもんではないです。だらーっと見てだらーっと笑ってだらーっと見逃しても気にならないような、そのくらいのものです。
そこも含めて計算されつくされているなあ、と15回以上見て感じました。
計算高さはギャグ要素だけではなく、映像技法でもピカイチ。
gdgd妖精sは、一見ラジオ番組のようなグダグダフェアリーのグダグダなアドリブの音声に絵を付けている。が、CGの映像自体は映像の原則できっちりと作りこまれているのだ。
菅原そうたさんが以前に作った「ミラクルネットショッピング」も確かにシュールで面白いんですよね。
でも、結構見る人を選ぶというか、ハードル高いというか…
そこに「かわいいキャラクター」と「かわいいボイス」を投入することで、一気に独特の世界観を創り上げてしまったという。
「HEY!HEY!HEY」や「人志松本のすべらない話」、「5時に夢中!」などで放送作家をされている石舘光太郎さんがシリーズ構成と脚本をされています。今回、さらに萌えがミックスされたわけです。
「シュールバカCG + お笑い構成 + 萌え = !?」といった感じですね。いやはや恐れ入ります。
これを見ていてオレが思ったのは、これはある意味アマチュア層への挑戦状なんじゃないのかということですよ。
スタッフは、一般的な3DCGアニメーション作品に比べて有り得ないくらい少ないです。
もちろんその分、映像としては「これ本当にテレビで放送してるアニメなの!?」と思ってしまうクオリティのものなんですが、人が面白いと感じればそれは何でもエンタテイメントなわけで。
映像クオリティが高くないとテレビに放送してはならないという法なんてないし、エンタテイメントを提供するということは楽しみを提供すること。
楽しめればそれが一番なのであって、技術的には簡単に作れてしまうようなCGでしか出来ない映像を逆手にとって笑いを生み出す手法は最終目的としてはすごく合理的だなぁと感じるのです。
「CG作家がひとりでMMD作ってるような作品」が、テレビで放送されてDVD&Blu-rayで発売されて、あちこちで話題になる"大穴"ですよ。
ここまでくると「誰でもMMDで作れるレベルでここまで出来るけど。で、キミらは?」という挑戦状に思えてくる。
いや「映像作る人のスキルはそこそこでいいし、それよりアイデア出せる人とか構成作家とか脚本家とか声優とか全員で協力すればここまで出来るよ。で、キミらは?」という風にも思える。
もちろん宣伝力やプロの声優を連れてくること、そういったことは業界じゃないと難しいかもしれませんが、本当にネット上だけでアマチュアがやるには不可能なことかと問われると、頑張れば可能といえる。
ニコニコ動画で、色々な面白いコンテンツをアマチュアが作るという流れが成熟してきたけども、構成作家や監督を据えた作品というのは多くない。
ネット上だけでも可能なもので、ここまで話題になる面白いコンテンツを作ってしまう。
それが凄いというよりも「で、キミらはやんないの?」と、あらゆる若手クリエイタたちに挑戦状を出しているようにも思える。