モロ屋

酒とケモ耳の力を借りて乱世を生き抜くWeb屋の雑記

四月は君の嘘がめっちゃ面白いという話

アニメを3話まで見たんですが、これがめっちゃ面白い。

個人的には今季ナンバーワンかなーと思っている。

いくつか本当に凄いなと思った部分があるので、ちょっと書いてみる。

まず時間の流れ方が格別に良くて、あらゆるシーンがすんなりと繋がってゆっくりと時間が流れていく。

3話、喫茶店から出たあとのシーン。

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公生がピアノの音が聞こえないという告白をするところで、時間が一気に進む。 このシーンの印象付けに、かをりが公園に向かって走るカットは意図的に同じ角度で長めに時間が取られているし、実際風景の移り変わりがとても綺麗だった。

その後、なんとかして公生にピアノを弾かせようと企む部分では、家庭科実習が終わったあとにシーンが切り替わる。

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ここで学校のチャイムが流れるが、同時に画面では購買のパンを求めて一直線に走って行く男子生徒がクローズアップされていて、すぐに「このチャイムは放課後ではなくて、お昼休みのチャイムなんだな」と理解出来る。 なので、そこからクラシック音楽がいきなり流れ始めても、お昼の放送でクラシック流してるんだなーとスムーズに頭のなかに入ってくる。

他にも雨音から柔らかな日差しにカットを繋いで日付が変わったことをすぐに分かるようにしていたり、かをりが屋上で独白をするシーンでは、公生を探しまわったと思われる場所を止め絵で流して時間を遡ったり、こういう時間の切り替え方がとても分かりやすくて没入感がすごかった。

次に、かをりと桜の関係性。

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桜の色彩は、かをりであって、公生にとっての色・音を表しているのかなと思う。 春の風は、かをりという音を連れてきた。

1話の時から、かをりが外にいるときは必ず桜とともに描かれるようになっていて、関連性が主張されていた。 例えば公生の心の殻としての象徴である音楽準備室には、かをりの演奏を聴いたあとから桜の花びらが舞い込むようになっていて、徐々に公生の心にかをりが侵入しているのを表していた。

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3話、公園のシーンでは、かをりが公園に行くと桜が散り始める。 公生がピアノの音が聞こえない、と告白をすると、桜吹雪はぴたりと止んで2人の心情を描画している。

屋上でのシーンは言わずもがな、暗い陰の中から光へと出て行く部分。 ちょっとベタなようにも思える演出がここまで効果的に心に響くのは、それまでの繊細な演出の積み重ねの賜物なのかなと感じた。

背景がキャラクター以上に物語性を語る部分が多くて、絵がいきいきと動いて見える。 特に3話は完成度が高かったように思った。

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他には、ピアノの演奏シーンでは蝶番に手の動きが映り込むなど、細やかな部分の作画がすごい。 漫画原作の良さを殺さないようにか、記号的な演出も多く、これもやり過ぎない絶妙なラインで素晴らしい。 伏線の重ね方も良かったし、BGMも効果的だった。

今後が楽しみすぎて、夜も眠れない…